オゾン物語 オゾンの利用……オゾンによる空気殺菌の方法

オゾンの利用……オゾンによる空気殺菌の方法

「空気を殺菌するのにオゾン濃度1ppm、1時間で十分ですが、オゾン濃度0.1pmでは10時間でも効果が出たり出なかったりする」と言うようなことをお話しました。

(お断りしておかなければならないのは、これは既存のデータからの推定である、ということです。今後エコデザイン株式会社自身で実際のデータを集積していきたいと考えてます)

現在、オゾン発生器を用いた室内の空気殺菌をご希望する方には「人のいない時間帯に1ppm程度までオゾン濃度を上昇させ数時間放置する」ようにお勧めしてます。

室内のオゾン濃度を1ppmにするにはどの程度の時間が必要かと言いますと、たとえば1000m3の部屋(たとえばやや大き目の食品工場の部屋の規模)があるとしますと、その1ppmというのは1000m3の百万分の1ですから1リットルです。1リットルのオゾンというのは約2gです。たとえがオゾン発生量2g/hrのオゾン発生器を使って室内にオゾンを放出すると、1時間で2gを確保できます。

しかし実際にはオゾンは消えていくので、1時間では1ppm に達しません。

どの程度になるかはオゾンの消滅する速度に依存します。またオゾンの消滅する速度は室内の環境(室内の温度、オゾンと反応する物質の存在、壁の表面積など)に依存します。

仮にオゾンの半減期(発生したオゾンが半減するまでの時間)を1時間とします。詳しい説明は省きますがこの場合オゾンを1時間発生後のオゾン濃度は 1ppmの約70%の0.7ppmになります。そして2時間で漸く1ppmに達します。そしてその1ppmに達した時点でオゾンの発生を停止するとその後1時間で0.5ppm、2時間で0.25ppm、3時間で0.125ppmと減少し、4時間で0.06ppmとなり、作業環境基準の0.1ppm以下に到達します。

以上はオゾンの半減期が1時間の場合の話です。

ではオゾンの半減期が30分だったらどうなるでしょうか。これも詳しい説明は省きますが、この場合オゾン濃度は1時間で0.5ppm程度に到達し、2時間で0.7ppm程度になりますがそれ以上はあまり上昇せず、いくら時間をかけても1ppmにはなりません。

このような場合は濃度と時間(ppm×hr)が1となるような時間を算定します。計算の結果では2時間10分程度です。半減期が15分では3時間10分程度です。

以上のように空気殺菌を実用する上で重要なのは、オゾン濃度の半減期を知ることです。

ところでこのオゾンの半減期というのは前述のごとく部屋の環境に著しく依存するので実測するのが1番確実です。それが出来ない場合で、殺菌を確実にしたい場合は半減期を短く(たとえば15分)十分な時間オゾンを発生するのがよいかと思います。