木材からのバイオエタノール抽出のためオゾン処理でリグニン除去

導入企業国立研究開発法人森林総合研究所 様
インタビュー木材化学研究室 杉元倫子 様
所在地茨城県つくば市
使用目的研究、バイオマス
使用製品

研究開発用オゾン発生器 ED-OG-R4

【販売終了品】現在の後継機種は「研究用水冷オゾン発生器 ラボゾン15 LOG-LC15G」です。

課題解決のポイント

  1. 木材からバイオエタノールを作る前処理として、木粉をオゾン処理しリグニン除去を促進

  2. オゾン量を増やすほど糖化が進み、セルロース・ヘミセルロースの約80%を糖へ変換できる

  3. 水冷式で濃度が安定し、コンパクトで研究室内に置きやすい

課題 ー木材由来バイオエタノール製造に必要な「リグニン除去」

  • 木材からバイオエタノールを作るには、リグニンを取り除く必要がある
    木材はセルロース・ヘミセルロース・リグニンから成り、バイオエタノール化にはリグニンを除去して糖化しやすくする前処理が不可欠でした。
     
  • オゾン処理条件(量)の最適化が必要
    オゾンを加える量で糖の生成量が変化し、効果を最大化する条件づくりが課題でした。
     
  • 研究用途で“濃度が安定した”オゾン供給が必要
    従来の空冷式は気温で濃度が左右されやすく、研究として再現性の高い前処理を行うには濃度の安定性が求められていました。 
リグニンの化学構造(模式図)
リグニンの化学構造(模式図)

 

解決 ー木粉を安定的にオゾン処理してリグニンの結合を切り、糖化・発酵につながる前処理を実現

木粉にオゾンを当てることでリグニンの結合(炭素二重結合)が壊れ、リグニンが取り除きやすくなります。水冷式で濃度が安定しているため、高い再現性に寄与しております。これにより糖化・発酵へ進める前処理条件の選定が可能になりました。

製品の活用方法 ー酸素ボンベ+オゾン発生器でオゾン含有酸素を作り、フラスコ内の木粉へ導入(回転攪拌)

① 木粉を入れたフラスコへ、酸素ボンベから酸素を供給
② オゾン発生器でオゾン含有酸素にしてフラスコ内へ導入(酸素流量0.5L/min、オゾン発生量約5g/h)
③ フラスコを回転させ、木粉全体にオゾンが当たるように処理
④ オゾンはほぼ木粉と反応し、排気側ではオゾン濃度が0になる

木粉の入ったフラスコ
木粉の入ったフラスコ
オゾン発生器
オゾン発生器

導入後の成果:糖化率の向上と、木材由来バイオエタノール研究の前進

オゾン処理量の調整で糖化が進み、セルロース・ヘミセルロースのうち約80%を糖へ変換できるなど、明確な成果が得られました。

  • 糖化が進み、糖の生成量が増加(最大で約80%まで)
    オゾン量に応じて糖の生成が増え、最終的にセルロース・ヘミセルロースの約80%を糖にできる結果が得られました。
     
  • オゾン過剰の影響(酸性化)まで把握し、最適条件の重要性を確認
    オゾンを加えすぎると木粉が酸性に傾き、エタノールが作りづらくなることが分かり、適量で止める運用が有効だと確認されました。
     
  • 水冷式で濃度が安定、コンパクトで研究室に適した運用性
    水冷式で濃度が安定し、装置がコンパクトで取り回しやすい点が、運用面のメリットとして挙げられています。
     

詳しい研究成果は以下のURLでご覧ください!
○研究の“森”から No.154 (PDF)

https://www.ffpri.go.jp/pubs/mori/documents/mori-154.pdf

お客様の声

木材からバイオエタノールを作るための前処理として、木粉をオゾン処理してリグニンを取り除きやすくする目的で利用しました。オゾン量を増やすと糖の生成量が増え、最大でセルロース・ヘミセルロースの約80%を糖へ変換できるなど、面白い結果が得られました。

装置は、隣の実験室での使用実績があり、コンパクトで発生量もちょうどよく、価格も手ごろだったため選定しました。以前使っていた空冷式は気温で濃度が左右されましたが、水冷式で濃度が安定している点が良かったです。

 

インタビュー

――どんなことをされている研究室ですか?

大きなテーマとして、木材の成分を化学的に利用するということをやっています。あとバイオエタノールの原料にしたり等という研究をしています。

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――オゾン発生器はどんなことに利用されたのでしょうか?

木材からバイオエタノールを作るための前処理としてオゾン発生器を利用しました。

バイオエタノールは、植物からできて二酸化炭素を増加させずに自動車を走らせることのできる物質として最近急激に世界中で注目を集めています。
ただ、その一方でバイオエタノールの原料として使われるトウモロコシやサトウキビなんかの値段が高騰して問題になってしまっています。どうにか食料じゃないものからバイオエタノールを作れないか、というのがこの実験を始めた最初の目的です。

木材はセルロース、ヘミセルロース、リグニンという三つの成分からできているのですが、バイオエタノールを作るためにはリグニンを取り除いて、セルロースとヘミセルロースだけにしてやる必要があります。
そのために一度バイオエタノールの原料である木粉をオゾンで処理してやると、リグニンの炭素二重結合が壊されて、リグニンが取り除きやすくなるのです。

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――そのままではリグニンは取り除けないのですか?

取り除けません。したがってバイオエタノールを作ることもできません。オゾンを加えてやる量によってバイオエタノールの元になる糖が作られる量が増えていき、最終的にすべてのセルロース、ヘミセルロースのうち80%程度までを糖に変えることができるようになります。

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――非常に明確な実験結果ですね。

そうですね。面白い結果になったと思います。

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――弊社のオゾン発生器を選ばれた理由と、使っていて良かった点があれば教えてください。

選んだ理由は、隣の実験室で御社の装置を使っていまして、それで良いらしいよと。調べてみたら大きさもコンパクトで発生量もちょうどよく、値段も手ごろなので購入しました。

買ってみて良かった点は、以前使っていたオゾン発生器があったんですけど、それが空冷で気温により濃度が左右されてしまいます。御社のは水冷で濃度が安定していて良かったですね。それと、以前使っていたオゾン発生器がとても大きくて。だからコンパクトであるというのは嬉しかったですね。

――実験をしていて嬉しいことや、醍醐味などをお聞かせください。

やはり実験が、思ったとおりの結果が出たときは嬉しいですね。

バイオエタノールの実験では木材をオゾンで処理してリグニンを取り除き、糖化処理を施し、発酵させてバイオエタノールを作ってみるというところまでやりました。木材からバイオエタノールを作るという実験でここまでやっているのは世界で初めてなので、やりがいはありましたね。

その結果オゾンを加えすぎると糖化は上手くいっても木粉が酸性に傾いていくため、エタノールが作りづらいということが分かったのです。だから適度なところでとめてやったほうがエタノールは作りやすい。こういうことはそこまで実験してみたからこそ分かった事実です。

――どうもありがとうございました。

使用機種の詳細はこちらから

研究用水冷オゾン発生器 ラボゾンシリーズ ラボゾン15

 

オゾン発生量最大15g/h、濃度最大200g/m³以上。小型・軽量ながら高濃度オゾンガスを安定して供給できる水冷式のオゾン発生器です。
 
■15g/h・最高濃度200g/m³超
■外部水冷式(冷却水要)、中・高濃度
■接ガス部メタルフリー(クリーン)
■外部I/O、流量計0.5/1/5L、研究・精密分野用

 

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