研究者・工場向けオゾン装置メーカーのエコデザイン株式会社。オゾンを現場で安全かつ効果的に使用する方法をアドバイスします。
TEL 0493-72-6161 営業時間 平日9:00~18:00
オーロラというのは本物は見たことはないのですが、話ではとても美しいということですし、実際写真を見ても非常に美しくまた荘厳なものに思えます。
次はカナダのPhilippe Moussetteから特に許可を頂いたオーロラの写真です。
先ず赤いオーロラです。これは上空150-400kmのところに出来ます。
次は緑色のオーロラです。これは上空100~200kmのところに出来ます。
次は青いオーロラです。これは上空100km程度の低いところに出来ます。
このようなオーロラの中でオゾンは出来てないだろうか、もし出来ているとすれば、「オゾン」というものに対するイメージにロマンチックな要素が加わるのではないか、と思いました。
さて実際のところどうなのでしょうか。次にそれを考えて見ます。
オーロラは天然の放電現象により上空の原子や分子が発光することにより起こる現象です。
(太陽から太陽風という電子とイオンの流れが放出されていますが、それが地球の磁場と相互作用を起こして地球の極の付近に電場が発生し、上空で放電が起こったときに出来るのがオーロラということです)
赤や緑のオーロラは酸素原子、青は窒素分子の発光と言われてます。
前回お話した稲妻も、オーロラも共に放電現象ですが、様子が全く違うのは、雷が1気圧程度の気圧のところで起こるいわゆる大気中放電であるのに対してオーロラは非常に気圧の低いところで起こるいわゆる真空放電であるためです。
真空放電によってもオゾンが出来ることは知られてます。しかしオゾンが出来るためには酸素原子、酸素分子の組成が、ある範囲で無ければならないと考えられます。
次は高度による酸素分子、酸素原子などの存在比の変化を示すものです。
この図を見ると200km以上の上空では酸素原子が圧倒的に多く、酸素分子はそれに比べて非常にわずかです。また200km以上の上空では非常に高温です。
この様な状態では酸素分子と酸素原子の衝突でオゾンが生成される一方で熱分解で消滅し、ある平衡状態が成り立っているはずです。そこにオーロラが発生してもオーロラはオゾンの発生に必要な酸素分子を減少させるためにむしろオゾンを消す方向に働き、オゾンの発生には寄与しないと考えられます。
すなわち、200km以上で光る赤いオーロラ、緑のオーロラはオゾンを消滅させていると考えられます。
では100km付近で光る青いオーロラはどうでしょうか。
100km上空では、酸素分子は酸素原子より数倍多い状態です。
この様な場所でオーロラが発生すると酸素分子が酸素原子に分解されて酸素原子の比率が高まり、オゾンの比率も増える方向に働くと考えられます。
以上をまとめると「赤いオーロラ、緑のオーロラではオゾンは消滅し、青いオーロラでオゾンが生成する」ということです。
但し、これは正確な数量的評価の結果ではなく、いまだ想像の域であることをお断りしておきます。
またオーロラの中でオゾンが出来たり、消滅したりしてもこれはオゾン層よりずっと高いところで起こることなのでオゾン層の形成や破壊にはほとんど影響はないと考えられます。