オゾン物語 自然界のオゾンの生命への作用

自然界のオゾンの生命への作用

地球の地上(野外)でのオゾンの濃度は0.02~0.05ppm程度です。

このような微量なオゾンでも生命への作用があるのでしょうか。

私は自然界のオゾンは生命活動に作用がありしかもかなり重要な役割を担っていると思ってます。私の想像も入ってますが自然界のオゾンの生命への作用は次の4つと考えてます。

  • 殺菌作用
  • 有害有機物分解作用
  • 活性化作用(免疫力の増大など)
  • 季節のシグナル作用

上記「有害有機物分解作用」は生命への直接の作用ではないのですが、間接的に生命に有益な結果を齎すために加えておきます。

次にそれぞれの概略について話ますが、その前に「そんな生命に有益な作用ばかりでないだろう」と疑問を抱く方のために一言申し上げておきます。

確かに光化学スモッグという現象があり、その主成分はオゾンです。そして光化学スモッグは植物を枯らしたり、人の健康を害したりするものです。でも考えてみてください。これは本来の自然界のオゾンではなく、近年における人間の活動(自動車や産業活動)が招いたものです。光化学スモッグというのは 0.1ppm以上に達することもあるようですが、このようなオゾン濃度は通常の自然界のオゾンではあり得ないものです。

光化学スモッグも含めこのような高濃度オゾンによる害については後日改めてお話したいと思います。

殺菌作用

自然界のオゾン濃度0.02~0.05ppm程度では人間をはじめほとんどの大型生物には有害性がないと認められてますが、微生物にとってはかなり厳しい環境のようで、大気中に微量のオゾンがあることで大型生物にとっては有害な微生物の増殖が抑制されています。

有害有機物分解作用

オゾンの酸化力は酸素などに比べて非常に強く、特に2重結合のある有機物と反応しやすいのです。

一方2重結合のある多くの有機物は匂いや色があり且つ有害なものです。特にこれらは嫌気性の発酵などで自然界でも作られます。

これらを自然界のオゾンが分解してます。

活性化作用

日本ではあまり知られてませんが、欧米(特にドイツ)でオゾン療法というのが結構普及してます。

オゾン療法には何種かありますが特に血液に比較的少量のオゾンを注入する方法があります。

この様な方法が多くの病気に効くことが以前から認められてます。

最近その原因がオゾンによる免疫作用の刺激にあることがわかってきてます。

自然界のオゾンでもこの様に生命活動を活性化させる作用と持つと推定します。

季節のシグナル作用

オゾン濃度は季節により変動します。その変動の仕方は地域により異なりますが、生命に季節の到来を告げる働きをしていると考えてます。

人間は個人差はあるもののかなり微量なオゾンでも匂いを感知する能力を持ってます。

動物や魚や貝などが人間より更に優れたオゾン感知能力を持っており、それにより季節の到来を感知している可能性があります。たとえばアコヤガイはオゾンの刺激で放卵を開始することが知られてます。これもオゾン濃度の増加を季節到来のシグナルと認知しているひとつの証拠ではないかと思います。

以上のオゾンの作用は紫外線の作用とも関係しているように思います。

少なくとも「殺菌作用」と「有害有機物分解作用」は紫外線でも認められているものです。

紫外線、特にオゾン層をくぐり抜けて地上に到達する紫外線のA波とオゾンは共同で地上を大型生物に取って住み易い環境に保持している陰の力と言えると思います。

考えてみるとこの様な環境を作っている基は植物の光合成から生まれる酸素です。

光合成で生まれた酸素分子は上空にあがり、大型生物にも非常に有害な紫外線のC波を吸収し、酸素原子となります。

その酸素原子が酸素分子と結合してオゾンが生まれます。そのオゾンがオゾン層を作ってかなり有害な紫外線のB波を遮ります。オゾン層で生まれたオゾンの一部は対流により地上に降りてきます。

地上に降りて来たオゾンは、オゾン層を透過して地上に到達した紫外線のA波と共同で殺菌や有害有機物の分解を行い、地上を大型生命に住みよい清潔な環境に保持してます。

この様な仕組みは本当に不思議で、また有難いことです。

少なくてもこの様な仕組みの出発点となっている光合成という精妙な作用には感謝すべきでしょう。