純酸素なのにオゾンが出ない?「オゾンゼロ現象」の原因と解決法

はじめに

オゾン発生器に純度の高い酸素を使うと、かえってオゾンが出なくなることがあります。これは「オゾンゼロ現象」と呼ばれる現象です。この記事では原因と、すぐ試せる解決法を分かりやすく解説します。

記事のポイント

  1. 純酸素(99.9%以上)を使うとオゾンが発生しなくなる現象があります

  2. これは業界で「オゾンゼロ現象」と呼ばれています

  3. 産業用グレード(純度99.5%程度)の酸素を使うと「オゾンゼロ現象」を回避できます

  4. 純酸素を使う場合には、窒素または二酸化炭素を1vol%ほど添加すると「オゾンゼロ現象」を回避できます

  5. 「オゾンゼロ現象」の原因はまだ十分に解明されていません。今後の研究が期待されます

オゾンゼロ現象とは?

オゾンゼロ現象とは、純度が非常に高い酸素(99.9%以上)をオゾン発生器に流したときに、放電しているのにオゾンがほとんど発生しなくなる現象のことです。正しい使用法をしているにもかかわらず、オゾン発生器を稼働して数分後に前触れもなくオゾンが出なくなるので、気付きにくい点に注意が必要です。

他には、300mL/min以下などの低流量、かつ原料ガスとして水分の含まれる空気を用いた場合でもオゾンゼロ現象が発生する場合がございます。

オゾン濃度が時間とともに低下するグラフ

オゾン発生器の運転を開始した瞬間は正常に稼働して見えますが、その後すぐにオゾン濃度が落ち、場合によってはオゾンが完全に発生しなくなってしまいます。

 

オゾンゼロ現象はなぜ起きる?

実は、はっきりとした原因はまだよく分かっていません。有力な説としては、放電によるオゾン生成はごくわずかな不純物を起点として始まるため、純酸素のように不純物がほとんどない状態では反応が進みにくくなる、という考え方が挙げられます。今後の研究が期待される分野です。

 

オゾンゼロ現象の解決法

原因こそ分かりませんが、オゾンゼロ現象の解決法については分かっています。

もっとも基本的な解決法は、産業用グレードの酸素ボンベ(純度99.5%程度)を使用することです。産業用グレードの酸素ボンベには、窒素ガスなどのごく僅かな不純物が含まれており、オゾンゼロ現象の発生を回避することができます。

もしも純酸素ボンベを使用する場合には、窒素(N2)または二酸化炭素(CO2)を1vol%ほど加えることでオゾンゼロ現象を回避することができます。ごく少量で十分で、これだけでオゾンが安定して出るようになります。

急ぎの応急処置としては、配管をいったん外し、発生器をオフにしてから放電部に空気が入る状態にし、その後もとの条件で再接続して放電させる方法も有効です。継続的に使う場合は、他ガスの添加を取り入れるのがおすすめです。

 

機器の故障との見分け方

オゾンが出ないときは、オゾンゼロ現象なのか、機器そのものの故障なのかを切り分けることも大切です。目安として、オゾン発生器が故障している場合は出力を変えても電流値が変化しなくなることが多く、濃度計の故障では測定値が大きくブレる傾向があります。原因を切り分けたうえで、ガス添加や応急処置を試してみましょう。

 

純酸素のみを使用しても、特に危険性があるわけではありません。正常にオゾンが発生しなくなる、という現象です。ただし、安定した運用のためにはガス添加が推奨されます。

 

よくあるご質問

Q
純酸素を使っているのにオゾンが出ません。故障でしょうか?
A

純度99.9%以上の酸素を使っている場合、オゾンゼロ現象の可能性が高いです。まずは窒素または二酸化炭素を1vol%ほど加えてみてください。それでも改善しない場合は、出力を変えた時に電流値が変化しているかなど、機器の状態を確認しましょう。

Q
添加するガスは窒素と二酸化炭素、どちらがよいですか?
A

どちらでもオゾンゼロ現象の解消には有効です。用途によって使い分けるとよく、たとえば純水に溶かして使う場合はオゾン水濃度の向上が見込まれるため、二酸化炭素がおすすめです。一般的な用途では窒素でも問題ありません。

Q
オゾンゼロ現象が起きてしまった後の応急処置の方法は?
A

応急処置として、接続されている配管を外し、発生器をオフにしてしばらく置いて放電部に空気が入る状態にしてから、再接続して元の条件で放電させる方法があります。継続利用する場合は、他ガス添加に切り替えるのが確実です。

Q
そもそも、どの純度の酸素を使うのが一番よいのですか?
A

基本的には、産業用グレード(純度99.5%程度)の酸素が最もおすすめです。この純度帯はオゾンの発生効率が高く、窒素や二酸化炭素の追加添加も不要です。純度を上げれば上げるほど良い、というわけではない点に注意してください。

Q
純酸素だけで使い続けると、危険はありますか?
A

純酸素のみを使用しても、装置が壊れたり危険な反応が起きたりすることはありません。ただし、オゾンが正常に発生しなくなるため、目的を達成できないという実用上の問題が出てきます。安定運用のためにも、産業用グレードの酸素ボンベやガス添加をおすすめします。

まとめ

オゾン発生器に純度99.9%以上の純酸素を使うと、かえってオゾンが発生しなくなる「オゾンゼロ現象」が起きることがあります。安定運用のためには、産業用グレード(純度99.5%程度)の酸素の使用もご検討ください。

解決には、窒素または二酸化炭素を1vol%ほど添加するのが基本です。また、応急処置として放電部に空気を入れる方法もあります。迷ったときは、メーカーや販売元にお気軽にご相談ください。

オゾンの取り扱い上の注意
  • オゾンは高濃度で人体に有害となるおそれがあります。必ず換気を確保し、適切な安全対策の上で使用してください。
  • 用途・環境により必要な対策は異なります。設置・運用に不安がある場合は専門家に相談してください。

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