
はじめに
オゾンは脱臭や除菌に役立つ一方で、使い方を誤ると健康被害のリスクがあります。この記事では、オゾンの毒性と、機器を安全に使うための基本的な注意点をわかりやすくまとめます。
記事のポイント
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オゾンは便利だが、高濃度では体に悪影響を及ぼすことがある
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0.1ppmでも鼻やのどに刺激を感じることがあるため注意
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空間散布では無人運転と十分な換気を徹底することが基本
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インライン型はガス漏れ防止と残ガス分解まで考えることが重要
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事業で使うなら濃度管理と安全体制づくりの確認が必要
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本記事ではオゾンの安全な取り扱いを中心にご紹介します。オゾンの管理体制については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
オゾンの毒性とは?
オゾンは脱臭や除菌に役立つ気体ですが、濃すぎるオゾンを吸うと鼻・のど・目・肺を刺激します。便利さだけでなく危険性も理解し、濃度を管理しながら使うことが大切です。また、使い方を誤らないことが安全の第一歩です。
オゾンは便利ですが、危険性のある気体です。適切な管理を心がけましょう。
オゾン曝露の健康上の影響
オゾンガスを吸い続けると、健康上のリスクが高まる恐れがあります。0.02ppm前後で臭いを感じ始め、0.1ppmで鼻やのどへの刺激、1〜2ppmで頭痛やせき、5〜10ppmで肺水腫のおそれがあるとされています。高濃度ほど体への負担は大きくなります。具体的なオゾン曝露濃度と、その際に発生する生理作用は以下の通りです。
| オゾン濃度(ppm) | 作用 |
| 0.01~0.02 | 多少の臭気を覚える。(やがて馴れる) |
| 0.1 | あきらかな臭気があり、鼻やのどに刺激を感じる。 |
| 0.2~0.5 | 3~6時間曝露で視覚が低下する。 |
| 0.5 | あきらかに上部気道に刺激を感じる。 |
| 1~2 | 2時間曝露で頭痛、胸部痛、上部気道の渇きとせきが起こり、曝露を繰り返せば慢性中毒にかかる。 |
| 5~10 | 脈拍増加、体痛、麻酔症状が現れ、曝露が続けば肺水腫を招く。 |
| 15~20 | 小動物は2時間以内に死亡する。 |
| 50 | 人間は1時間で生命危険となる。 |
安全に使うための管理ポイントとは?
事業でオゾンを扱う場合には、安全管理をすることが法律で決められております。労働安全衛生規則第577条の2第2項では、屋内作業場で扱う物質のばく露を濃度基準値以下に管理することが定められています。
事業でオゾンを扱う屋内作業場では、オゾンは短時間濃度基準値0.1ppm(15分平均)の管理が必要とされているため、リスクアセスメントや測定、必要に応じた保護具・管理体制を整えましょう。
次の章では、オゾンを扱う主なケース(空間散布用 と インライン用)の2つのケースに合わせて、それぞれに推奨される管理ポイントを説明していきます。

オゾンを使うときに気を付けること(空間散布用のオゾン発生器の場合)
空間散布用のオゾン発生器は、人がいない状態で運転するのが基本です。運転中は入室せず、使用後はしっかり換気して、臭いが残るときはすぐ入らないようにします。業務で使う場合は、現在の基準に合わせて15分平均0.1ppmを超えないよう濃度管理の方法を決めておくと安心です。
主な濃度管理方法としては、次の2つの方法がございます。
①オゾンモニターの設置 ②オゾン散布のマニュアル化とシミュレーション

管理方法1 オゾンモニターの設置
濃度確認の具体例として、出入口付近に定置式オゾンモニターを設置して15分平均値を確認し、入室前には携帯型測定器や検知管で室内濃度を確認する方法があります。運転開始時や条件変更時には複数箇所を測定し、濃度が上がりやすい場所を把握しておくと安心です。
この方法は最も数値的に確実な方法ですが、携帯型測定器や検知管での測定には、それなりの費用と時間がかかります。特にホテルの客室脱臭などでは、実務的には逐一の濃度測定は難しいのが現状です。
そこで、まずオゾンの管理を始めるには、次の確認方法2をお勧めします。


管理方法2 オゾン散布のマニュアル化とシミュレーション
オゾン発生器の使用時間や入室タイミングを、あらかじめマニュアル化しておくことも大切です。マニュアル化のためには、詳細なオゾン濃度のシミュレーションが必要となります。
弊社では空間散布用にオゾン発生器を取り扱う方向けに、精密なオゾン濃度のシミュレーターを提供しております。ぜひともご活用ください。

ここでは、簡単なオゾン散布のマニュアル作成手順を説明します。詳細な手順は後日記事化予定ですので、お待ちください。
Step.1 空間の大きさを分類する
まずは、オゾン散布を行う空間の大きさを把握します。部屋ごとに広さや天井高が異なるため、体積を基準にして「小・中・大」などの区分に分けておくと、その後の判断がしやすくなります。最初に空間条件を整理しておくことで、部屋ごとに無理のない運用ルールを作りやすくなります。
Step.2 「空間オゾンガス濃度の時間的変化シミュレーター」を使って、オゾン散布時間を検討する
空間の大きさを分類したら、次に「空間オゾンガス濃度の時間的変化シミュレーター」を使って、各部屋に適したオゾン散布時間の目安を検討します。同じ機器を使う場合でも、空間の体積が変わればオゾン濃度の上がり方や下がり方は変わるため、部屋ごとに条件を確認しておくことが大切です。ここで散布時間の目安を決めておくことで、運用時のばらつきを減らしやすくなります。
Step.3 部屋ごとにマニュアルを作成し、オゾン散布時間と入室可能時間を設定する
最後に、検討した条件をもとに、部屋ごとの運用マニュアルを作成します。マニュアルには、対象となる部屋の区分、オゾン散布時間、運転後に入室できるまでの待機時間を整理し、作業手順を記載します。あらかじめ部屋ごとの基準を決めて共有しておけば、誰が対応しても同じ流れで運用しやすくなり、安全で再現性のあるオゾン散布につながります。
呼吸器疾患のある方がいる空間や、ペットのいる空間では、一般的な短時間濃度基準値を目安にするだけでなく、より低い濃度で管理することが望まれます。オゾンは呼吸器に刺激を与えるおそれがあるため、影響を受けやすい環境では、無理のない範囲でより慎重な運用を心がけると安心です。
オゾンを使うときに気を付けること(インライン型のオゾン発生器の場合)
インライン型は高濃度のオゾンガスを配管内で扱うため、継手や配管から漏れない設計・点検が大切です。反応後に残ったオゾンは、そのまま排気せず、排オゾン分解器で分解してから廃棄します。排オゾン分解器の一例として、触媒式で電源不要のインライン用オゾン分解器「ED-MD9-500S」がございます。

試験系統の一例(左:オゾン分解器)
また、万が一のオゾン漏れ発生に備えて、オゾン漏洩検知器の導入や、活性炭フィルター搭載のガスマスクを用意しておくと安心です。


もし高濃度オゾン曝露事故が起こってしまったら?
どれだけ気を付けていても、配管の漏れや換気不足などで、思いがけず高濃度のオゾンを吸い込んでしまう事故が起こる可能性はゼロではありません。万が一に備えて、事故発生時の対処法をあらかじめ知っておくことが大切です。
ここでは、高濃度のオゾン曝露(おおよそ1ppm以上)が疑われる場合や、体調の異変を感じた場合の対応手順をまとめます。いざというときに落ち着いて動けるよう、現場で共有しておきましょう。
高濃度オゾン曝露事故発生時の初期対応

事故が疑われるときは、次の手順を基本に行動します。救助する側が二次被害に遭わないことが何より重要です。
- 自身の安全を確保する
まずは自分の身を守ります。防毒マスク(活性炭フィルター仕様)を着用するか、難しい場合はすぐにその場から退避してください。 - 要救助者を安全な場所へ
倒れている人がいても、防護なしで単独で助けに向かうのは禁物です。自分の安全を確認したうえで接触し、新鮮な空気のある場所へ移動させます。 - 119番通報する
要救助者がいる場合は、ためらわず119番通報します。その際、「オゾン曝露・要救助者あり」とはっきり伝えると、救急隊が適切に準備できます。 - オゾン発生器を停止する
可能な範囲で発生器を止め、オゾンの漏洩源を遮断します。無理にオゾンの濃い場所へ近づく必要はありません。 - 強制的に換気する
窓や扉を開け放つか、換気設備を稼働させて、空間にこもったオゾンを外へ逃がします。
症状別の応急処置

オゾンを吸い込んだ後の対応は、症状の重さによって変わります。
軽症(目やのどの刺激程度)の場合
新鮮な空気のある場所へ移動して安静にします。目が充血している場合は多量の水で洗眼し、鼻やのどの刺激には清潔な水でうがいをします。30分ほど安静にしても症状が続くときは医療機関を受診してください。あわせて、症状の経過を記録しておくと、受診時に役立ちます。
中等症(呼吸困難・胸の痛み)の場合
ただちに119番通報し、救急車を要請します。本人には半座位(上体を起こした楽な姿勢)で安静にしてもらい、体を保温します。衣服を緩めて呼吸を楽にし、意識がある場合は声をかけ続けてください。症状が軽く見えても、必ず医師の診察を受けることが大切です。
重症(意識障害・呼吸停止)の場合
119番通報とAEDの手配を同時に進めます。呼吸がない場合は胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行い、AEDが到着したらただちに使用します。救急隊には「オゾンに曝露したこと」「推定される濃度と曝露時間」を伝えてください。なお、いったん蘇生した後でも肺水腫が起こることがあるため、入院による管理が必要です。
オゾン曝露による肺水腫は、曝露の直後ではなく、4〜24時間ほど経ってから発症することがあります。そのため、いったん症状が改善したように見えても、自己判断で帰宅させてはいけません。必ず医師による経過観察を受けさせるようにしてください。
参考 厚生労働省・職場のあんぜんサイト:濃度基準値
労働安全衛生規則第577条の2第2項では、屋内作業場で扱う物質のばく露を濃度基準値以下に管理することが定められています。オゾンを業務で使う場合も、測定やリスクアセスメントを通じた管理が重要です。
※参照:厚生労働省 職場のあんぜんサイト 濃度基準値 https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo107_1.html
よくあるご質問
- Qオゾンのにおいがしなければ安全ですか?
- A
においは重要な目安になりますが、におわないから安全とは限りません。換気時間や機器条件で感じ方は変わるため、業務用途では濃度測定や入室ルールを決めておくと安心です。
- Q散布後はすぐに部屋へ入ってもいいですか?
- A
すぐに入らず、まず十分に換気してください。オゾン臭が残る場合は待機時間を長めに取り、業務で使う場合は基準値以下を確認してから入室するのがもっとも安全です。
- Q子どもやペットがいる場所でも使えますか?
- A
使う場合でも、運転中は人やペットを近づけないことが基本です。使用後はしっかり換気し、刺激臭がなくなってから戻すようにしてください。
- Qインライン型のオゾン発生器で残ったオゾンはどう処理しますか?
- A
残ガスはそのまま外へ出さず、排オゾン分解器で分解してから排気します。高濃度のオゾンガスを扱うため、配管の漏れ点検とあわせて残ガス処理まで考えることが重要です。
- Q業務でオゾン発生器を使うときは、どんな安全管理が必要となりますか?
- A
オゾン濃度の管理方法、入室ルール、換気手順、保護具の要否を整理しましょう。必要に応じて化学物質管理者などの体制づくりも確認すると安心です。
- QED-MD9-1500Sはどんな用途の製品ですか?
- A
ED-MD9-1500Sは、インラインで使うオゾン分解器です。触媒式・電源不要で、反応後に残ったオゾンを分解してから排気したい場面に向いています。
まとめ
オゾンは便利な反面、高濃度では体に刺激や健康被害を起こすおそれがあります。空間散布用は無人運転と換気、インライン型は漏れ防止と残ガス分解が基本です。安全に使うために、機器に合った管理方法をあらかじめ決めておきましょう。
- オゾンは高濃度で人体に有害となるおそれがあります。必ず換気を確保し、適切な安全対策の上で使用してください。
- 用途・環境により必要な対策は異なります。設置・運用に不安がある場合は専門家に相談してください。
オゾンのことなら「オゾンなんでも相談窓口」
オゾンの使い方や、機種選びで迷ったときは、専門スタッフに相談できる「オゾンなんでも相談窓口」をご活用ください。用途や設置環境に合わせて、基礎的な疑問から具体的な運用方法までわかりやすくご案内します。
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