【2025年10月施行】オゾンが労働安全衛生規則の濃度基準値対象に|事業者が取るべき3つの対応

はじめに

2025年10月から労働安全衛生規則が改正され、オゾンが新たに濃度基準値の対象物質に追加されました。業務用オゾン発生器を使う事業者は、短時間濃度0.1ppmを守るための管理体制づくりが必要です。本記事ではポイントを分かりやすく整理します。

記事のポイント

  1. 2025年10月1日から、オゾンに「短時間濃度基準値0.1ppm」が適用されました

  2. 「短時間」とは、15分間のばく露平均濃度の上限を指します

  3. 事業者は化学物質管理者と保護具着用管理責任者の選任が必要です

  4. リスクアセスメントを実施し、濃度測定・換気・保護具で管理します

  5. 家庭用オゾン発生器は今回の改正の対象外で、特別な対応は不要です

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本記事ではオゾンの管理体制を中心にご紹介します。オゾンの安全な取り扱いについては、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

オゾンと労働安全衛生法の改正とは?

労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則が改正され、2025年10月1日からオゾンを含む112物質が新たに濃度基準値の対象に加わりました。これにより、業務用にオゾンを取り扱う屋内作業場では、労働者が吸い込むオゾン濃度を一定値以下に抑える管理が事業者に求められます。

 

新しく適用される「短時間濃度基準値0.1ppm」とは

オゾンには「短時間濃度基準値」として0.1ppmが設定されました。これは作業中、最も濃度が高くなると思われる15分間の平均濃度が0.1ppmを超えないように管理する必要がある、という意味です。15分よりも短い滞在であっても、その間の平均濃度がこの値を上回らないように管理する必要があります。

 

 

事業者に求められる3つの対応

業務用オゾン発生器を使う事業者には、主に次の3つの対応が求められます。

 

1:「化学物質管理者」の選任

1つ目は「化学物質管理者」の選任です。化学物質管理者は、オゾンに関するリスクアセスメントの実施・記録の管理、ばく露を低減するための措置の検討、SDS(安全データシート)の確認、作業者への教育・周知、関係労働者への安全な取り扱いの徹底などを担う社内の管理責任者です。

事業者は選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、氏名を事業場の見やすい箇所に掲示するなど、関係労働者へ周知する必要があります。

なお、化学物質管理者の選任にあたって、必要な資格や労働基準監督署への届け出などは必要ありません。また、管理者の選任は義務とされておりますが、2026年5月現在、直接的な罰則規定は設けられておりません。

化学物質管理者
選任義務 あり(2025年10月〜)
選任単位 事業場ごとに1名
資格・講習 取扱い事業場は不要
選任期限 事由発生から14日以内
周知方法 事業場内に氏名を掲示
届出 労働基準監督署への届出不要

 

2:「保護具着用管理責任者」の選任

2つ目は「保護具着用管理責任者」の選任です。保護具着用管理責任者は、業務用オゾン発生器を使用し、かつ労働者に保護具を着用させる必要がある場合に選任を行います。保護具着用管理責任者は、保護具の選定・点検・適切な使用方法を管理する必要があります。

資格要件としては、第1種衛生管理者・作業主任者・安全衛生推進者など、または保護具着用管理責任者教育の受講により、保護具の着用に関する十分な知識を持った者となっております。なお、化学物質管理者との兼任が可能です。

なお、保護具着用管理責任者についても、労働基準監督署への届け出などは必要ありません。また、管理責任者の選任は義務とされておりますが、2026年5月現在、直接的な罰則規定は設けられておりません。

保護具着用管理責任者
選任条件 化学物質管理者を選任済みで
かつ労働者に保護具を使用させる場合
資格要件 第1種衛生管理者・作業主任者・
安全衛生推進者など、
または保護具着用管理責任者教育の受講
兼任 化学物質管理者との兼任可
届出 労働基準監督署への届出不要

 

3:オゾン使用時の安全対策と測定

3つ目はオゾン濃度の管理と測定で、オゾン使用時の安全管理を実施し、必要に応じて検知器や濃度計を使って作業エリアを定期的に測定します。こちらについては、別途以下の記事でまとめておりますので、ご参照ください。

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罰則・資格・家庭用機器の取り扱い

今回の改正で、オゾンを取り扱うために特別な資格が新設されたわけではなく、罰則も直接的には規定されていません。ただし、必要な措置を講じる義務はあるため、対応を怠ると指導の対象になり得ます。なお、家庭用オゾン発生器は今回の改正の対象外となります。ただし、製品の取扱説明書に従い、換気や使用時間に注意して使用することが大切です。

 

現時点では、濃度基準値超過そのものに対する直接的な罰則は規定されていません。ただし、リスクアセスメントの実施や必要な措置を講じる義務はあるため、対応を怠ると行政指導等の対象となる可能性があります。早めの体制整備をおすすめします。

 

参考1 厚生労働省:労働安全衛生規則第577条の2に基づく濃度基準告示

労働安全衛生規則の改正により、2024年4月1日から適用されている濃度基準告示に、2025年10月1日付で新たに112物質が追加されました。オゾンもその一つで、屋内作業場における労働者のばく露を基準値以下に抑えることが事業者の義務として定められています。

※参照:安全衛生情報センター 労働安全衛生規則第五百七十七条の二第二項の規定に基づき厚生労働大臣が定める物及び厚生労働大臣が定める濃度の基準 http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-373-1-0.htm

 

参考2 厚生労働省:労働安全衛生規則 改正告示の解説資料

「労働安全衛生規則第五百七十七条の二第二項の規定に基づき厚生労働大臣が定める物及び厚生労働大臣が定める濃度の基準」の改正に関する解説資料です。新規追加の112物質について、適用開始は令和7年(2025年)10月1日からと明記されています。

※参照:厚生労働省 労働安全衛生規則第五百七十七条の二第二項関連の改正資料 https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001250600.pdf

 

よくあるご質問

Q
今回の改正で適用されるオゾンの濃度基準値はいくつですか?
A

オゾンには「短時間濃度基準値0.1ppm」が設定されました。これは、1日の労働時間のうち最も濃度が高くなる15分間の平均濃度が0.1ppmを超えてはならない、という基準です。8時間平均の基準値は設定されておらず、短時間濃度基準値のみが適用されます。

Q
改正の適用開始はいつからですか?
A

2025年(令和7年)10月1日から適用が開始されております。それまでに、屋内でオゾンを取り扱う作業場では、濃度測定・管理体制の整備や担当者の選任など、必要な準備を進めておくことが推奨されます。

Q
オゾン作業に従事するために特別な資格は必要ですか?
A

作業者本人に新たな資格は必要ありません。ただし、事業者側で「化学物質管理者」と、保護具を使用させる場合には「保護具着用管理責任者」を選任する必要があります。これらは資格というより役割の選任で、定められた要件を満たす方を社内で指名する形になります。

Q
違反した場合に罰則はありますか?
A

現時点では、濃度基準値超過そのものに対する直接的な罰則は規定されていません。ただし、リスクアセスメントの実施や必要な措置を講じる義務はあるため、対応を怠ると行政指導等の対象となる可能性があります。早めの体制整備をおすすめします。

Q
家庭用のオゾン発生器も対象ですか?
A

対象外です。今回の改正は、業務用オゾン発生器を扱う作業者の安全を主な目的としており、家庭用オゾン発生器のような一般消費者向け製品には適用されません。これまでと同じようにご家庭で使用していただいて問題ありません。

Q
オゾン濃度はどうやって測定すればよいですか?
A

現場で広く使われているのは、ポータブル型オゾン濃度計やガス検知管、警報機能付きの常設型オゾン濃度計などです。入室前にポータブル計で確認する、作業エリアに常設型を置いて警報設定値0.1ppmで管理するといった運用が現実的です。センサーは定期的な校正・交換も忘れずに行いましょう。

Q
リスクアセスメントは具体的に何をすればいいですか?
A

作業内容、使用するオゾン発生器の出力、空間の広さ、換気条件などを整理し、作業者がどの程度のオゾンにばく露されるかを評価します。そのうえで、無人運転・換気・濃度測定・保護具の使用といった対策をどう組み合わせるかを決め、記録として残しておくことがポイントです。

Q
保護具はどのようなものを準備すればいいですか?
A

オゾンに対しては、活性炭フィルターを備えた防毒マスク(吸収缶式)が一般的です。あわせて目への刺激を防ぐ保護眼鏡もセットで用意します。吸収缶には使用期限や破過時間があるため、使用記録の管理と定期的な交換、装着方法の教育まで含めて運用することが重要です。

まとめ

2025年10月から、オゾンは労働安全衛生規則の濃度基準値対象物質となり、「短時間濃度0.1ppm(15分平均)」が適用されました。業務用オゾン発生器を扱う事業者は、化学物質管理者・保護具着用管理責任者の選任、濃度測定、リスクアセスメントの実施、保護具の準備といった体制を整えることが必要です。家庭用は対象外ですが、業務利用の方はぜひ早めに準備を進め、安全で安心なオゾン活用を続けていきましょう。

オゾンの取り扱い上の注意
  • オゾンは高濃度で人体に有害となるおそれがあります。必ず換気を確保し、適切な安全対策の上で使用してください。
  • 用途・環境により必要な対策は異なります。設置・運用に不安がある場合は専門家に相談してください。

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