
はじめに
オゾン水は、強い酸化力を持つオゾンを水に溶かした水で、除菌や脱臭などに使われています。この記事では、オゾン水の効果や作り方、濃度の考え方、デメリットや危険性などを、専門メーカーの視点でわかりやすく整理します。
記事のポイント
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オゾン水は、オゾンの強い酸化力を利用して除菌・脱臭・酸化などができる水で、残留物が残りにくいのが特徴です。
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効果は濃度や接触時間、水質に左右されるため、適切な条件を整えて使うことが大切です。
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オゾン水の作り方には、オゾンガスを水に溶かす方式と、水を電気分解して生成する電解式の2種類が主流です。
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濃度はppmやmg/Lで表され、狙った効果を得るには濃度と接触時間の管理、必要に応じた測定が欠かせません。
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オゾン水から発生するオゾンガスは高濃度になると人体に有害なため、換気や作業環境の管理を行う必要があります。
オゾン水とは

オゾン水とは、酸素原子が3つ結びついた「オゾン(O₃)」を水に溶かした水のことです。オゾンは酸素からつくられる気体で、非常に強い酸化力を持っています。オゾンには、この酸化力によって菌やニオイのもとになる物質などを分解する働きがあり、除菌や脱臭のほか、食品分野や一部の工業用途などの幅広い分野で使われています。
オゾン水の大きな特徴は、時間がたつと自然に分解して酸素にもどっていく点です。薬剤のように成分が残りにくいため、すすぎの手間が少なく、幅広い現場で利用されています。日本ではオゾンは食品添加物(既存添加物)としても位置づけられており、食品分野などでの利用実績があります。
オゾン水の特徴
オゾン水の特徴は、大きく分けて「強い酸化力を持つこと」と「残留物が残りにくい」の2つです。
オゾンは塩素よりも強い酸化力を持つとされ、菌やウイルス、ニオイ成分などを酸化して分解します。一方で、オゾンは不安定な物質で、水中では時間とともに分解して酸素にもどっていきます。そのため、成分が長く残らず、すすぎや後処理の負担が少ないという利点があります。
ただし「残りにくい」ということは、裏を返せば「効果が長続きしない」ということでもあります。つくり置きには向かず、基本的には使うタイミングで生成し、その場で使い切る使い方が向いています。
オゾン水の主な効果



オゾン水の主な効果は、大きく次の3つに整理できます。
1つ目は「除菌」です。オゾンの酸化力によって、水や器具の表面に付着した菌などにはたらきかけます。
2つ目は「脱臭」です。ニオイのもとになる成分を酸化・分解することで、ニオイを抑える効果が期待できます。
3つ目は「酸化作用」です。有機物や一部の物質に対して酸化作用を示すため、洗浄や一部の工業用途などに利用されます。
ただし、これらの効果は「濃度」「接触時間」「対象の状態」などの条件に左右されます。どんな菌やニオイにも一瞬で効くわけではなく、適切な濃度と時間を確保することが大切です。オゾン水は便利ですが、「何にでも効く万能な水」ではない、という点は押さえておきましょう。
オゾン水の効果を左右する条件
オゾン水の効果は、濃度だけで決まるわけではありません。実際には、オゾン水が対象物にどれくらいの時間触れているか、原水や対象物にどれくらい有機物や汚れが含まれているか、水温がどの程度かといった条件によって変わります。
たとえば、有機物が多い水や汚れの多い対象物では、オゾンが先にそれらと反応して消費されるため、狙った効果が出にくくなることがあります。また、水温が高いほどオゾンは分解しやすくなるため、生成後の濃度低下にも注意が必要です。
そのため、オゾン水を使う際は「何ppmのオゾン水か」だけでなく、「どの対象に、どれくらいの時間、どのような条件で使うのか」をあわせて考えることが大切です。
オゾン水の濃度と単位

オゾン水の濃度は、一般的に「ppm」や「mg/L」という単位で表されます。
ppm(Parts Per Million:パーツ・パー・ミリオン)は「100万分のいくつか」を表す単位で、水中のオゾン濃度では重量比のppmが使われることが多く、オゾン水1ppmはおおよそ1mg/Lに相当します。つまり、1kg(約1L)の水に1mgのオゾンが溶けている、というイメージです。
除菌などを目的にする場合、必要な濃度は用途によって異なりますが、目安として1~2ppm程度が一つの基準として語られることがあります。一方で、酸化処理用途の場合、10~50ppm、条件によってはさらに高い濃度のオゾン水が用いられる場合もあります。ただし、高濃度のオゾン水は用途や設備条件を踏まえた管理が必要であり、一般的な利用とは分けて考える必要があります。
オゾン水の作り方


オゾン水は、水にオゾンを溶け込ませることでつくられます。代表的な方式は、大きく2つあります。
1つは「オゾンガス溶解方式」です。オゾン発生器でつくったオゾンガスを、細かい泡(バブリング)などにして水に溶かし込む方法です。溶かし込む方法は様々ですが、基本的に気体と液体を混ぜるため、専用の混合器を使います。大量のオゾン水を生成しやすいため、比較的大きな水量を扱う業務用・産業用途で採用されることが多い方式です。
もう1つは「電解式(電気分解方式)」です。水そのものに電気を流し、水を電気分解してオゾンを発生させ、オゾン水を生成する方法です。特徴としてはオゾンガス発生器と混合器を別々に持たず、原料となるガスも必要がないことです。比較的コンパクトに、かつお手軽にオゾン水を作れます。小型のオゾン水生成装置で採用されることが多い方式です。
どちらの方式でも、オゾン水の濃度は装置の能力や水量、生成にかける時間などによって変わります。目的の濃度を得たい場合は、水量や生成時間の目安をメーカーの仕様で確認しておくと安心です。
オゾン水のメリット


オゾン水のメリットは、まず「残留物が残りにくい」ことです。オゾンは時間とともに分解して酸素に戻るため、使ったあとに成分が残らず、すすぎの手間や後処理の負担を減らすことができます。
また、薬剤の購入・保管・廃棄に関する負担を減らせる場合があり、条件によっては環境負荷やランニングコストの低減につながることもあります。ただし、装置の導入費用や電力、酸素供給、メンテナンスなども含めて検討することが大切です。
さらに、除菌・脱臭・酸化分解といった複数のはたらきを、一つの水でまかなえる点も利点です。
オゾン水のデメリット
オゾン水のデメリットとして、まず挙げられるのが「濃度が下がりやすい」点です。オゾンは不安定なため、生成後は時間とともに分解し、濃度が低下していきます。つくり置きや長時間の保存には向かず、基本的には使う直前に生成する必要があります。
また、オゾン水の濃度や効果は、原水(もとの水)の水質や、対象に含まれる有機物、水温などの影響を受けます。有機物が多いとオゾンが先に消費されてしまい、狙った効果が出にくくなることがあります。水温が高い場合も、オゾンが分解しやすくなる傾向があります。
このように、オゾン水は「条件に左右されやすい」水です。安定して使うためには、水質や温度、生成のしかたなどを踏まえた運用が求められます。
オゾン水は危険?
オゾン水そのものは、適切な濃度で使う分には過度に恐れる必要はありません。ただし、注意すべきなのは「オゾンガス」です。
オゾン水を生成する過程では、オゾンガスが発生します。オゾンガスは高濃度になると、目や喉、呼吸器などへの刺激といった健康影響につながる可能性があります。そのため、オゾン水を扱う場所では、十分な換気を行い、オゾンガスがこもらないようにすることが大切です。
また、業務用の装置を使う場合は、作業環境の管理も重要になります。設置場所の広さや換気状況、作業時間などを踏まえ、メーカーの取扱説明書や仕様、関連する基準にしたがって安全に運用してください。正しく扱えば有用な一方で、扱い方を誤ると危険にもなり得る、という点を理解しておきましょう。
オゾン水の主な用途
オゾン水は、その除菌・脱臭・酸化分解のはたらきを活かして、さまざまな分野で利用されています。
代表的なのは食品分野で、食材や器具の洗浄などに使われています。ミネラルウォーターなどの製造工程では、ボトルに充填する前の水の殺菌処理にオゾンが用いられることがあります。このほか、調理器具や設備の洗浄などでも活用されています。
また、オゾン水を霧状(ミスト)にして散布することで、空間を脱臭する用途でも利用が広がっています。
さらに、半導体の製造プロセスのように高い清浄度が求められる分野や、研究分野でも利用が広がっています。
このように、オゾン水は「水と酸素から生成でき、残留物が少ない」という特徴から、幅広い現場で選ばれています。ただし、用途ごとに求められる濃度や条件は異なるため、目的に合った装置と運用を選ぶことが大切です。
オゾン水の使用例
オゾン水生成装置を使う場合の注意点
オゾン水生成装置を使う場合は、いくつかの点に注意しておくと安心です。
まず、生成されるオゾン水の濃度は、水量・生成時間・装置の能力などによって変わります。狙った効果を得るためには、メーカーの仕様や取扱説明書を確認し、必要に応じて濃度を測定しながら使うことが望ましいといえます。
次に、換気と作業環境の管理です。生成時に発生するオゾンガスがこもらないよう、換気を意識してください。また、オゾン水は生成後に濃度が下がっていくため、つくり置きは避け、使う直前に生成するのが基本です。
最後に重要なのは、用途に合った装置を選ぶことです。食品向け、洗浄向け、研究向けなど、装置によって想定される用途や仕様は異なります。目的に合わない使い方を避け、装置の仕様・基準にしたがって安全にご利用ください。
オゾンやオゾン水の効果・濃度・安全性は、水質や温度、対象物、装置の仕様など多くの条件に左右されます。本記事は一般的な解説であり、実際の運用にあたっては、必ず各装置の取扱説明書や仕様、関連する基準を確認してください。
参考 厚生労働省:食品添加物
オゾンは、食品衛生法上の既存添加物として位置づけられています。既存添加物は、日本で広く使用され長い食経験があるものとして、例外的に使用・販売が認められている添加物です。
※参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html
参考 エコデザイン株式会社:オゾン濃度関連用語 ppm
水中(液相)のオゾン濃度をppmで表す場合は一般に重量比のppmであり、オゾン水1ppmはおおよそ1mg/Lに相当します。同じ1ppmでも、空気中のオゾンガスと水中のオゾン水では含有量が大きく異なる点に注意が必要です。
※参照:https://www.ecodesign-labo.jp/ozone/word/1-2.php
よくあるご質問
- Qオゾン水はどれくらいの時間、効果が続きますか?
- A
オゾンは不安定な物質のため、オゾン水は生成後、時間とともに濃度が下がっていきます。水温が高い場合や有機物が多い場合は、さらに早く濃度が低下します。そのため、つくり置きには向かず、基本的には使う直前に生成し、その場で使い切る使い方が向いています。
- Qオゾン水は塩素より安全ですか?
- A
オゾンは強い酸化力を持つ一方で、時間とともに分解して酸素にもどるため、成分が残りにくいという特徴があります。ただし「安全かどうか」は濃度や使い方によって変わります。特に生成時に発生するオゾンガスは高濃度になると有害なため、換気などの管理が必要です。単純にどちらが安全と言えるものではなく、目的に合った濃度・使い方を守ることが重要です。
- Qオゾン水の濃度はどうやって確認できますか?
- A
オゾン水の濃度は、専用の濃度計などで測定できます。オゾン水は生成後に濃度が下がっていくため、「今、実際に何ppmあるのか」を把握することが大切です。用途や求める品質によっては、測定しながら管理することが望ましいといえます。詳しい測定方法は、お使いの装置や測定器の仕様をご確認ください。
- Qオゾン水を使うとき、換気は必要ですか?
- A
はい、換気は重要です。オゾン水を生成する過程ではオゾンガスが発生し、高濃度になると健康影響につながる可能性があります。オゾンガスがこもらないよう、十分に換気を行いながら使用してください。業務用装置を使う場合は、作業環境の管理も含め、取扱説明書や関連する基準にしたがってください。
まとめ
オゾン水は、オゾンの強い酸化力を利用して除菌・脱臭・酸化を行う水で、時間とともに酸素に戻り残留物が残りにくいのが特徴です。様々な用途で使用することができるため、幅広い業界で利用が広がっています。
一方で、濃度が下がりやすく、水質や有機物、温度の影響を受けやすいというデメリットもあります。生成時に発生するオゾンガスは高濃度になると有害なため、換気や作業環境の管理が必要です。用途に合った装置を選び、仕様や基準にしたがって安全にご活用ください。
- オゾンは高濃度で人体に有害となるおそれがあります。必ず換気を確保し、適切な安全対策の上で使用してください。
- 用途・環境により必要な対策は異なります。設置・運用に不安がある場合は専門家に相談してください。
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